その昔、風俗に通っていた頃のこと。
ひとりの風俗嬢【マミちゃん(仮名)・当時20代前半】を店外デートに誘いました。
最初はルックスに惹かれていましたが、店通いが増えるにつれて中身にも惹かれるようになっていったんです。
美人で明るくお喋り上手なマミちゃんは、冴えない俺の心のオアシスでした。
だからもう店外でも会いたく会いたくてたまらなくなったんです。
まあ正直言いますと「付き合いたい」「やりたい」という、最終ゴールがあったわけですよ。
でも「店外禁止」って風俗における基本ルールじゃないですか。
だからダメ元で誘ったんですが、マミちゃんは最初こそ渋っていたものの結局OKしてくれたんです。
「山田さんなら…いいかなあ」と、なんかもうその一言だけでもお腹いっぱい感すらあったくらいに(笑)嬉しかったですね。
大好きな風俗嬢との店外デートはそりゃあもう楽しいものでした。
お昼ごろに待ち合わせをして食事、その後は映画を観て、軽くドライブ…。
あとマミちゃんの私服姿もね、ものすごく可愛かった。
(膝より少し上くらいのニットのワンピース。)
マミちゃんは店でもわりと清楚系なキャラで売っていたんですが、仕事中よりもメイクが薄めだったせいか?清楚度がアップしていました。
「こういうオシャレな感じの美人女子大生いるよな~」みたいなね。とても風俗やってるようには見えない風体。
美人を連れて歩いていると、ただ街中をブラブラするだけでものすごい優越感に浸れましたよね。
だけどマミちゃん、セックスはさせてくれませんでした。
本当にデートをするだけ。
「清い交際」ならぬ「清い店外」でした。
そして当時の俺の本音といえば「いつヤラせてくれるんだい?」に尽きます。
そもそも風俗嬢との店外デートはご法度ですから、望み過ぎっていうのはわかるんですよ。
店の外でデートできるだけで十分なんですが、やっぱり俺も男。
「最終的にはやりたい」という下心がど~しても拭えなかった。
だけどもさすがに無理矢理襲うなんてできませんからねえ…。
そんなこんなで、下心を潜ませながらのセックスなし店外を何度も繰り返していました。
でも店外デートの回数を重ねれば重ねるほど、俺の財布からどんどんお金が減っていくわけです。
しかもマミちゃん、だんだん調子に乗ってきたんですね(笑)
行きたい店のランクもどんどん上がっていくわ、アレも欲しいコレも欲しいと高級バッグやアクセサリーを要求するわで…。
やがて財布どころか口座からもお金が無くなっていきました。
貯金にも手を出してしまったんです。
もうね、我ながらバカじゃないのかと思います。
だけど当時の俺は、もはや冷静な判断ができない状態でした。
マミちゃんとの幸せなひとときを逃すことが怖かった。
ヤレもしないかりそめの時間にドハマりしてたんです。
恋って人を狂わせるなあと思います。
でも恋って言ったってねえ。
向こうはあくまでこっちをお客としてしか見ていない。
恋だ何だとめでたい思考回路になっちゃってるのは自分だけ…っていうのも、我ながら痛かったなあと赤面です。
しかし、マミちゃんとの店外デートも終わりを迎えました。
マミちゃんから電話がかかってきて「店をクビになった」というのです。
まさか…と思い理由を聞くと、案の定「店に店外がバレたから」。
「お店の子たちと飲みに行った時、ついポロッと店外のこと言っちゃったんだよね~」
「ってことは、そこからバレたってこと?」
「多分ね。てか絶対そう。それしかない」
「…マミちゃんそれはマズいよ」
「しょーがないでしょ!私だって酔ってたんだからさあ」
クビになったことでイライラしているのか、いつもよりだいぶ感じの悪いマミちゃん。
しかし、いくら酔っていたからとはいえ…店外デートを関係者にバラすのはマズすぎる。
若干説教ぽくマミちゃんに色々言ったら、
「そもそも山田さんが誘ったのがいけないんでしょー!?」と逆ギレ。
「いや、そりゃそうかもしれないけど…」
「とにかく私はもうクビなの。○○(店の名前)のマミじゃないの。だから山田さんともこれで終わりね」
そう言って、マミちゃんは一方的に電話を切りました。
切られた後何度かかけ直しましたが、全く出ません(最終的には着信拒否されました)。
メールもエラーで返ってくるし、そういえば住所も本名も知らないから、もう接触の手立てはなし…。
そして「店にマミちゃんのこと聞いてみようかな?」と思ったその瞬間、俺は初めて嫌な予感を覚えました。
「まさか客である俺にも何かの罰が…?」と、自分の身に降りかかってくるかもしれない災難に気付いたのです。
嫌な予感は的中し、俺は店から呼び出しをくらいました。
ニコニコ感じの良かったスタッフたちはどこへやら。
すっかり恐ろしい形相に変わり、俺に30万円の罰金を要求してきました。
大きな金額なので「払えない」と拒否しましたが、
「ご家族や職場の方に今回のことをお伝えしてもいいですか?(要はバラすぞという意味)」
「自分だけ何の痛みもなしで逃れようってのは甘いんじゃないの?」
「別にムリにとは言いませんよ。もっと大変な目にあってもいいんならご自由に」
など、脅迫めいたセリフをバンバン浴びせてきたのです。
最終的には殴りかかってきそうな勢いでした。
店のスタッフ数人に囲まれてそんな風に責められた俺は、「早くこの場から去りたい」という恐怖感から支払いを了承。
そして早く片づけて終わりにしたいと思い、急いで銀行に行って30万円を降ろして支払ってしまったんです。
マミちゃんとのデートや風俗通いでも散々使ったので、貯金もとうとうスッカラカン…。
後から「風俗の罰金は支払わなくても問題ない」ということを知った時は、もう俺はどこまでバカなんだと自分を呪いました。
ましてや同意書とか契約書とか、そんなものも全くなかったわけですしね。
それどころか、脅迫じみた言動とか、むしろ店のほうが警察からお咎めをくらってもいい案件です。
なんであの時、すぐに支払わないで、警察なり弁護士なりに相談しなかったのか…。
俺が駆け込む場所は銀行ではなく、警察署か弁護士の事務所でした。
でももう後の祭りです。
マミちゃんとの店外にドハマりしていた時もそうなんですけど…。
俺は良きにつけ悪きにつけ、普段と違う出来事に直面すると、冷静さや適正な判断能力を失ってしまうところがあるようでした。
心底バカだったなあ…と思います。
風俗嬢との店外デートによって、「お金がなくなり虚しさが残る」という最悪の結末になりました。
一時的に店外デートを楽しんでも、何かの拍子でバレればどうしようもない末路が待っているもんです。
まあ「おまえほどのバカはいない」と言われればそれまでですが(笑)そもそも店外デートは禁止行為なわけなので…。
俺ほどではなくても、基本的にロクなことにならないと思います。
それ以来、俺は風俗をめっきり使わなくなりました。
もちろん、店外をしないで普通に客として利用する分にはなんの問題もないと思います。
だけど俺はダメみたいです。
魅力的だと感じる相手に出会ってしまうと、それがたとえ風俗嬢であっても特別な感情を抱いてしまいます。
やりたいとか付き合いたいとか、その先の展開を望んでしまうんですよね。
だからどうしても、店の外に誘いたい欲求がわいてきてしまう…。
かといって、あんなことはもう懲り懲りですからね。
店の外で会うことがご法度な風俗は卒業しました。
(山田さんの投稿)
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